アリヤラトネ博士 東京講演2011 のハイライト

2011年10月10日(増上寺)、12日(仏教伝道協会)で行なわれた講演の中で、大切と思われる部分をご紹介したいと思います。(文責:本間正人)

1010日(月・祝)は、増上寺において、

「震災と宗教を考えるシンポジウム2011」

の基調講演をされました。

また、1012日(水)田町・仏教伝道協会ビルにおいて

「仏教伝道文化賞」受賞記念講演会として

サルボダヤJAPANの関係者を対象に

「日本と世界へのメッセージ」

ということで熱弁をふるわれました。

この2つの講演を通じて、博士が強調されていたのは.....

 

「天災」という言葉を用いるが、実は人類の影響もある。

仏法の法則の中にはBija Niyamaという法則(Dhamma)

があり、これは「人間は遺伝子や素粒子を操ろうとしては

いけない。なぜならば、人間がコントロールできないもの

だから。」

 

ちなみに全部で5つある法則とは、

Bija Niyama(種、遺伝子)

Utu Niyama(季節、気候)

Kamma Niyama(因果)

Citta Niyama(心、精神、意志)

Dhamma Niyama(現象、森羅万象)

社会の支配者がこれらのDhammas(宇宙の法)に従わなかったり、

それを破ったりする時に問題がおきる。

 

現代の地球社会は、「欲望と憎悪と無知」に基づいた文明

になっている。これを続ければ、人類に残された時間はそ

う長くない

 

分ちあい、慈愛の心、そして、叡智に基づいた方向へと

シフトしていくことが人類の未来をひらく。そして、日本

にはその方向へのリーダーシップをとってほしい。

 

九州大学での講演要旨

アリヤラトネ博士福岡講演(2011年10月14日午後2時−3時)

 

 ユヌス博士とは1972年以来の友人です。今回、このセンターができたことを心からお祝いしたいと思います。

 1976年以来、毎年、日本を訪れ、何百もの団体で講演してきました。

サルボダヤ運動は、仏教の教えに基づき、そして「全ての人のための勤労、全ての人の覚醒」というガンジーの思想に基づいて、非暴力的な活動を実践してきました。

日本は戦後、素晴らしい経済発展を遂げましたが、今年、三重の災害に見舞われました。地震、津波、そして、原発事故です。被災者の方のために、スリランカから、お祈りを捧げました。

 物質的な経済は発展する一方で、精神性が低下してしまっています。米英欧日といった先進国の道を踏襲することはできません。先進国と途上国の格差は広がり、物質的な豊かさを追求した結果、環境の破壊、原発事故などが起こって、全体的、持続的な発展が脅かされています。学界、研究者の世界も、これまでのように、ごく限られた人々のためのもので、多くの普通の人のためにならないaffluent societyを目指すのではなく、no poverty society、つまり、欲望を満たすのではなく、ニーズは充足された社会を目指すべきではないか?今こそ、意識の変化が必要です。

 サルボダヤが目指すのは、誰かの犠牲の上に成り立つ「物質的に豊かな社会」ではなく、「全ての人が覚醒した社会」です。それは6つの分野に渡ります。つまり、精神、道徳、文化、社会、経済、政治の6つで、これらは相互に関連しています。しかも、現代社会のシステムは、技術的、制度的、政治的、法律的に密接に結びついているので、短期間に改革するのはきわめて困難です。

 シューマッハ教授は、「恐竜は自分の体重でつぶれる。独創的な小さな組織が未来を創っていく。小さな組織は大きな古い組織を栄養源として活用すべきだ」と述べました。

 サルボダヤでは、環境と共生する、自立的な小さな集落コミュニティを育ててきました。農村開発活動の中で、慈愛の心、高い道徳性など、精神性の面が強調されなければ、「全ての人の覚醒」につながらない、と考え、愛、慈愛、無償、労働からの学びという4つの原則を実践してきました。

 2004年、スリランカが津波に襲われた時に、無事だった地域の支部からあらゆる食料や資材を集め、被災地域に送り、ボランティアが救援活動を始めました。政府機関が動き出すよりも、はるかに早かったです。

 災害だけでなく、1970年代から、サルボダヤでは、瞑想を通じて精神的な基盤をつくり、胎児と妊婦のためのプログラム、幼児、児童から大人まで様々な社会教育プログラムなどを展開してきました。また、灌漑設備の建設、農業振興、そして、マイクロ・レンディングなどを通じて、自立的な経済活動を推進してきました。

 現在、日本やスウェーデンといった高度に発達した先進国で多くの自殺者が出ています。これは、意識の問題です。しかし、お金もうけよりも、精神的な発達を大切にするように、多くの人々の意識が変わり、これができる、と臨界を越える数の人が思えば、そういう社会が実現します。

 福島の原発事故の後、ドイツは大きく舵を切りましたが、エネルギーや資源を大量に生産し浪費する贅沢なライフスタイルを追求するのではなく、安全で副作用の少ない再生可能なエネルギーを開発し、持続可能でシンプルなライフスタイルを送ることが大切です。そうでなければ、人類という種が滅んでしまいます。

 過去500年間の人類の歩みは、物質主義に偏り、間違った道でした。22世紀、あるいはさらにその先の未来を見据えた新しい道が必要です。

 新しい政治のあり方も大切です。権力が集中するのではなく、一般の人がコミュニティレベルで参加する政治のあり方が求められています。

 厳しいことも申し上げましたが、私たちには無駄にする時間はありません。高度な精神的な文化の伝統を持ち、効率的な経済発展を実現した日本がリーダーシップをとってほしいと、そして、椎木ユヌス研究センターが大きな役割を果たすことを願っています。

 

アリヤラトネ博士 2011年10月訪日時のイベント

 

スリランカの社会開発運動、サルボダヤ運動・創始者で

「ノーベル平和賞」候補にもなったA..アリヤラトネ博士

が仏教伝道文化賞をされ、授賞式が2011年1012日に行われました。

この来日に合わせ3つのイベントが行なわれました。

 

(1)震災と宗教を考えるシンポジウム2011

日時:1010日(月・祝)午後130分~5時まで

会場:大本山増上寺 大殿 地下1階「三縁ホール」(港区芝公園)

参加費:1000円(協力金として)

詳細は http://www.zenseikyo.or.jp/japa/news1.html

お申込みは gbs@zenseikyo.or.jp

基調講演はアリヤラトネ博士、パネリストに玄侑宗久さん

(作家・政府復興構想会議委員)、島薗 進さん(東京大学教授)他。

 

(2)仏教伝道文化賞授賞記念講演会

  「無縁社会から有縁社会へ」

日時:1012日(水)午後6時~7時 参加費:無料(先着30名) 

会場:田町・仏教伝道協会ビル会議室

   (http://www.bdk-jp.org/bdk/access.html

   お申し込みはメールで:sarvodayajapan1softbank.ne.jp 

  お名前、連絡先電話番号またはメールアドレス、をお知らせ下さい。

 

(3)九州大学

ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センター開設記念 シンポジウム

貧しい人も大金持ちもいない共生社会の建設を目指して

     ソーシャルビジネスの視点から考える」

日時:1014日(金)13:3017:00

会場:場所: 九州大学医学部百年記念講堂大ホール

定員: 400参加費: 無料

言語: 日本語・英語(同時通訳)

http://gcl.kyushu-u.ac.jp/2011_10_14SBRCSymposium.html

 

 

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